1. HOME
  2. ブログ
  3. 自分本位の自分

自分本位の自分

私は中途採用で、春蘭の宿さかえやに入社しました。私は実はIGA腎症という難病を持っています。その為、水分を多く取らなければならず、トイレにも頻繁に行かなくてはいけませんでした。

調理師学校を卒業して最初に入社した旅館では、私はキッチンスタッフとして調理の仕事をしていました。このまま仕事を続けていても将来が見えず悩んでいた時に、持病が悪化してしまい、キッチン部署からサービス部署に移りました。1年ほどサービスの仕事をしていましたが人事異動で客室の清掃、洗い物などをする部署に移動しました。日々の業務を続けていく中でもう一度料理をしたいという気持ちが徐々に強くなりその旅館を退職する決意を固めました。


転職先候補として様々なサイトで旅館を探し、2つまで絞りました。そこでその2つの旅館に実際に宿泊をしました。決め手となったのがスタッフの方々の温かさとキッチンを見学させてもらい、料理のほとんどを自分たちで作っている点、そして宿泊中に社長と話す機会があり縁を育むという会社の方針に引かれて、さかえやに決めました。

入社後に気づくのですが、私自身頑固であったり、謎に自分に自信があったりし、人の考えや意見を受け入れる事が出来ず、否定したり、その場では了承するような素振りを見せるのことがありました。それにより他の方と意見が合わなかったり、相手が何を求めているのか理解出来ずに、求められた事とは別の事をしてしまい、今まで様々な人に迷惑をかけてきました。

さかえやに入社してすぐに料理の仕事をやるより、料理がどのように出ているのか体験してからキッチンに入った方がいいよと社長に言われ、最初はキッチンではなくサービスに配属されました。サービスをやっている時に、先輩に教えて貰っているにも関わらず、その教えを素直に受け止めず言い訳をしていました。例を挙げると社内で使っているインカムが前の職場では無線と呼んでいたため、最初それになれず無線と呼んでいました。そこを指摘されたのですが素直に、分かりましたと言えば良いにもかかわらず、前の職場で無線と呼んでいてと言い訳をしていました。どうでもいいようなことかもしれませんが、指摘されても直さなかったところが、今では頑固さと気づけますが、その時は、私自身おかしなことをしているとも思っていませんでした。

およそ1ヶ月半程サービスで研修をし、その後キッチンに移動しました。やっと念願の料理の仕事に入れたのですが、そこでもなかなか自分の頑固さが出てしまい、料理の味付けなどで言われたことと違うこともしてしまうことが多かったです。そして、自信をなくし始め、入社してから1年くらいたった頃に社長から声をかけて頂きキッチンからフロントに部署異動しました。

最初はなんで自分がと不貞腐れていましたが、フロントで仕事することにより、キッチンにいた時は違い、お客様を1番最初に迎え、第一印象を与える仕事につき、直に接することが仕事なので、お客様が何を求めているのか常に考えるようになりました。何か言われてからではなく行動から察する事も必要になり、自分本意な考え方からお客様目線に立った考え方が少しづつできるようになりました。

今は2023年度、2024年度の新入社員も入って来て1番下の立場ではなくなってきました。入社し立ての頃は自分の事ばかりで周りのことも見れずにいましたが、今回の部署異動をきっかけに少しづつ顔を上げ周りを見ることができるようになり、気遣ったり、声をかけられるようになりました。

「滝澤さんは、みんなにお土産を買って来てくれたり、50キロを歩いた時にリュックを持ってくれたり、やさしいですね。」

と、先日このように言われた時は、自分もいつの間にか成長できたのかなと思えるようになりました。

まだまだ未熟者で学ぶことしかないですがいつか、先輩方のようになれるように精進して、またいつか料理の道に戻りたいと思います。

自分がどんな乗り物なのかまず知るべし

滝澤尚


プロフィール】
 新潟県出身
 2022年入社
 座右の銘: 青春とは嘘であり悪である
(青春という言葉は時として都合よくつかわれます。そうではない自分の生き方を見出す意で置いています。人に合わせ嫌われないように生活していた学生の時にこの言葉に出会い、顔色を伺い本音を出せずにいた自分を変えるきっかけとなりました)

 特技: 雑学