素直さとやさしさと...
北村 優香
(きたむら ゆうか)
入社7年目の北村優香と申します。私がなぜ、さかえやに入ったかというと、家族で初めて旅行に行った石川県の旅館で働く従業員さんがイキイキと働いているように見えたのと、「旅館に泊まる」ことのワクワクさを受けるだけでなく、提供する側もやってみたいな、と思ったことがきっかけでした。
妹の話しになるのですが、私が小学1年生のときに、1番下の妹が産まれました。妹は産まれてすぐに手術が必要で、母も妹も産まれてから半年ほど家に帰ってきませんでした。
そして、初めて家にきたとき、妹は足をグルグル巻きの包帯で巻かれ、移動式のベッドで運ばれてきました。あのときの衝撃は忘れることは無いだろうな、と今も思います。
小さい体で幼稚園に入るまで、ずっと車いすで生活していました。ギプスが取れ、歩けるようになり、びっこだけど一生懸命友達に付いていっていました。それでも他の子たちと比べて歩くスピードも歩き方もままならず、幼稚園の運動会も、小学校の運動会も、1番ビリっけつでした。分かってはいたけど、なんだかとても悲しくて、代わってやれたら良いのにそれが出来なくて、「莉乃よくがんばったね」と言ってあげることしか言葉が見つかりませんでした。
莉乃はかけっこでビリっけつでも、一生懸命みんなに追い付こうと走っていました。いやだとも言わずに運動会を楽しんでいました。その姿は、私の無駄な心配を吹き飛ばしてくれました。
同じクラスにも、障害を持った子や片親の子など、いろいろな子がいましたが、一緒に勉強して、一緒に鬼ごっこして、一緒にドッヂボールして、そういう時間が私の宝物です。
旅館には、そういった宝物の時間を作りに来るためのものだと思ったのです。
さかえやから内定通知をいただき、高校の終業式で、先生がみんなの前で社長からの手紙を読んでくれました!さかえやは、優しい会社なんだなとそのときから思いましたし、友達も「良いところだね、ゆうちゃんのとこだけじゃん!そうゆうふうに手紙書いてくれたの!」と一緒になって喜んでくれました。
そしてさかえやに入社し、まず行った研修が「トイレ掃除」でした。学生の頃もろくにしてこなかったトイレ掃除を、さかえやは素手で行うのです!
始めは抵抗しか無かったですが、掃除していくうちに素手の方が汚れが分かりやすいなあ、とかどの部分に汚れが溜まりやすいのか、を感触で感じることが出来ました。自分でもびっくりするぐらいに意識が「いやだ」から「どうやって落とそう?」に変わったのです。
このトイレ掃除の研修で、今まで苦手なこと、嫌なことから逃げてきたことが多かったなと改めて思いました。受験ギリギリまで勉強しなかったり、家に帰るのがいやで夜遅くまで友達と遊んでいたり、自分が逃げてきたことで親にも迷惑を掛けてきたことが良く分かりました。
入社した頃の私は、自分の感情のままに遅刻をしたり、先輩に迷惑ばかり掛けてきました。上司に良くない態度を取って、経営コンサルタントの杉井先生から怒られて、「優しい人になりなさい。温かい人になりなさい。」と仰っていただいたことは今の私の出発地点だったように思います。
そして、年数を重ねていくうちにリーダーという立場を任していただけるようになりました。リーダーになって大きかったのは、「私は部署のスタッフ達がいなかったら本当に何でも出来ないや」と気付いたことでした、今まで、傲慢に仕事の指示を出したりシフトを作ったり、「自分はやってる」と思っていたんだと思います。でも、部下の子がいなかったら、業務を誰かがやらなければ、仕事は回りません。そのことに気付き、そしたら今度はみんながより働きやすい環境を整えてあげたいと思うようになりました。そして、部下の子が笑っていたり、お客様に指名で喜んでもらったりすることが本当に嬉しいのです。母の気持ちが少し分かったような気がします。(笑)
自分は、さかえやに入るまで自分中心で環境が回っていると勘違いしていたと思います。
社長と出会い、杉井先生と出会い、同期や仲間と出会い、いろいろな経験をさせていただき、人の支えや自分が許してきてもらったことに気付かせていただきました。
これからは後輩やこれから入ってくる子たちに、「あなたは1人なんかじゃない。」ということと、周りの支えに気付かせてあげられる行動を取っていきたいと思います。
あなたは一人なんかじゃない
北村 優香
- 【プロフィール 】
- 長野市川合新田出身
- 2012年入社
- 座右の銘: 七転び八起き
- 特技: スポーツ